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円 (通貨)

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円 (通貨)
福沢諭吉の描かれた一万円紙幣
福沢諭吉の描かれた一万円紙幣
ISO 4217コード JPY
使用国・地域 日本
インフレ率 2.3%
情報源 総務省統計局(2008年7月)
指数 CPI
補助単位
1/100
1/1000
通貨記号 ¥
硬貨 ¥1, ¥5, ¥10, ¥50, ¥100, ¥500
紙幣
広く流通 ¥1000, ¥5000, ¥10000
流通は稀 ¥2000
中央銀行 日本銀行
ウェブサイト www.boj.or.jp
紙幣製造 国立印刷局
ウェブサイト www.npb.go.jp
硬貨鋳造 造幣局
ウェブサイト www.mint.go.jp

(えん、Yen)は、日本通貨単位である。

目次

[編集] 概要

現在の日本の通貨単位である(えん)は、明治4年5月10日1871年6月27日)に制定された新貨条例で定められたものである。通貨記号は¥円記号)が使用され、ISO 4217の通貨コードではJPYと表記される。ローマ字ではYenと表記し、Enではない理由のひとつには幕末までは「エ」を[je]と発音したからで、同様の表記にYedo(江戸)、Yezo(蝦夷)、Yebisu(ヱビス)などが見られた。他には、フランス語にすでにen([ɑ̃] アンと読み、場所などを表す前置詞)という単語があり、また英語圏ではEnを「イン」と読まれかねないからなどの理由がある。なお、当時は「圓」を漢字として充てており現在においても「円=圓」が通用する。

円の名前の由来には諸説ある。一説には、人々がお金を表すときに人差し指と親指で円を作ったところから「『円』ならば誰でもお金だとわかるだろう」と大隈重信が言ったためこの名がついたという。また、貨幣の形状を円形に統一したからとも、当時香港にあった硬貨に「香港壱圓」と刻印があったことから思いついたという説もある[1]

補助単位としては、

  • - 1円の100分の1(1円=100銭)
  • - 1円の1000分の1、1銭の10分の1(1円=1000厘、1銭=10厘)

が存在するが、1953年小額通貨の整理及び支払金の端数計算に関する法律によって小額硬貨が整理された際に事実上の使用・流通禁止処分が取られており、今日では為替株式の取引で銭が便宜的に使用されるにすぎない。

なお、円にはいくつか種類があり、第二次世界大戦終戦までは内地で流通した日本円の他、外地通貨である台湾円台湾で流通)や朝鮮円朝鮮及び関東州で流通)も存在した(南洋群島は例外的に日本円が流通)。

また、中国の通貨単位である「」の正式名称は「圆(=円)」であり、「元」は「円」の同音字を当てたものである。韓国北朝鮮の「ウォン」も「圓(=円)」の朝鮮語読みである。台湾ニュー台湾ドル香港香港ドルも、国内での名称は「元」ないし「圓」である。すなわち、これら東アジアの諸通貨は、みな本質的には「圓」という名称を共有しているといえる。なお中国語では日本円を「日圓」「日元」、米ドルを「美元」、ユーロを「欧元」というように、国・地域名を冠してそこで用いられる通貨を指す用法も派生した。

[編集] 流通硬貨・紙幣

日本の硬貨(表)。1円(左上)、5円(右上)、10円(左中)、50円(右中)、100円(左下)、500円(右下)。

現在も発行されているものは硬貨6種類、紙幣4種類である。

[編集] 硬貨

[編集] 紙幣

[編集] 歴史

[編集] 「円」制定の経緯

1871年明治政府貨幣の基本単位にを用いることを決定した。このとき、純金1500mgを1円(すなわち金平価1500mg)とする金本位制の導入が試みられ、20円、10円、5円、2円、1円の日本初の洋式本位金貨が鋳造、発行された。この量目は米国訪問中の伊藤博文が建言したものであり、当時の国際貨幣制度確立案として米国下院に提案中だった1ドル金貨の金純分と等しい。

また、当時明治政府が鋳造し流通していた明治二分金(重量3g 金純分22.3%)2枚(=1)の純金含有量に近似でもあり、新旧物価が1両=1円として連結し、物価体系の移行に難が少ないとして採用された(なお、江戸幕府最後の二分金である万延二分金と明治二分金の純金含有量はほぼ同じである)。

[編集] 金・銀本位制

しかし輸入増加、西南戦争日清戦争等による不換紙幣・銀行券の濫発、金流出等により実際には金本位制は機能せず、事実上銀本位制のままだった。これは当時発行されていた日本銀行券が本位金貨が存在したのにもかかわらず、兌換銀券であったことでも頷ける。

その後、日清戦争の賠償金として受け取った金を兌換準備充当の正貨として、1897年に貨幣法が制定され、第2次金本位制度が確立し、ようやく紙幣の金兌換が実現した。

ただし、1円の金平価は750mgと半減、しかも兌換準備充当正貨は英国に置いたままの在外正貨の形で運用された。1871年から発行された最初の本位金貨は、この時から額面の2倍の通用力を有すこととなった。一方新貨幣法による本位金貨は20円、10円、5円のみとなり、1円金貨は発行されなかった。これらの本位金貨は戦後も廃止されず、昭和62年6月1日に官報で本位金貨の流通停止が告知されるまで名目上は現行通貨であった。

この金兌換は1917年まで継続されたが、第一次世界大戦による金本位制停止で金輸出禁止、兌換も停止された。

終戦後の混乱を経て、1930年に金の輸出を自由化して金本位制度を復活させる措置が取られたが、1931年12月には金輸出・金兌換が再び禁止となり日本の金本位制は崩壊(金解禁)、その後は管理通貨制度に移行した。

[編集] 金為替本位制

第二次世界大戦以後のIMF体制(いわゆるブレトン・ウッズ体制)下では、米ドルを介した金為替本位制により、1円の金平価は2.4685mgとなった。 この価格は、1ドルの金平価1/35トロイオンスを、当時の対ドル円為替相場である1ドル=360円で割って算出されたものである[2]

この対ドル固定相場制に基づく金為替本位制は1971年ニクソン・ショックにより終結し1973年には変動相場制に移行した。(間接的な)金による裏付けを失う代わりに米ドルを基軸通貨とする体制はこれまでの金本位制に対し「ドル本位制」と呼ばれる。

[編集] ドル本位制

日本円の実効為替レート名目実質)の変遷(1970〜2007年、1973年3月 = 100)

変動相場制への移行後、上下を続けた円相場は1970年代末にアメリカのインフレ対策への失望から急速に円高へ進んだ(ドル危機)。ボルカーFRB議長により新金融調節方式が採用されるとドルの金利は急速に上昇し、合わせて円相場は円安へ向かった。1985年、高すぎるドル相場の安定的是正を目指してプラザ合意が行なわれると、円相場は一年で二倍の円高となった。バブル経済期に一時的な円安を迎えた後、1995年にかけて円高が進み1ドル=70円台後半まで円高が進んだ。1990年代後半には「強いドル政策」と日本の金融危機により円安が進行。以後、現在に至るまでおよそ1ドル=100~120円の幅で推移している。

現在はハードカレンシーのひとつとして国際的に認知され、信用されている。円の特徴としては、日本が経常黒字国であること、物価上昇率が低いこと、低金利であることが挙げられる。市場のボラティリティが低い状況下では、低金利の円を借り入れて他通貨に投資する動き(いわゆる円キャリー取引)が活性化するため、緩やかに円安が進む傾向にある。一方、ボラティリティの上昇局面には、こうした投資の巻き戻しに加えて、経常黒字、低い物価上昇率といった要因が意識されるため、円高が急速に進む傾向にある。円高と円安のリスクのどちらがより大きいかを示す指標であるリスクリバーサルは、過去10年以上にわたりほぼ一貫して円高リスクのほうが大きいことを示唆している。

00年代中盤にかけての世界的な低ボラティリティ環境下では、低金利の円は減価を続けた。米ドル以外の主要国通貨も含めた通貨の国際的な購買力を示す実質実効為替レートで見ると、2007年にはプラザ合意以前の円安水準へと逆戻りし(右上グラフ青線)、円はもはやローカル通貨でしかないという評価もされた[3][4]。円に対するこうした評価は、円に対する先安感を助長し、先述した円キャリー取引を加速した。しかし、08年にかけて、金融危機が深刻化する中で円の独歩高が進行しており、過度の円安期待がゆがんだものであったことを示唆している。

[編集] 為替レート

米ドル - 円

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
1949年から
1971年まで
360(固定相場)
1972年 308(1971年12月より切り上げ)
1973年 301.15 270.00 265.83 265.50 264.95 265.30 263.45 265.30 265.70 266.68 279.00 280.00
1974年 299.00 287.60 276.00 279.75 281.90 284.10 297.80 302.70 298.50 299.85 300.10 300.95
1975年 297.85 286.60 293.80 293.30 291.35 296.35 297.35 297.90 302.70 301.80 303.00 305.15
1976年 303.70 302.25 299.70 299.40 299.95 297.40 293.40 288.76 287.30 293.70 296.45 293.00
1977年 288.25 283.25 277.30 277.50 277.30 266.50 266.30 267.43 264.50 250.65 244.20 240.00
1978年 241.74 238.83 223.40 223.90 223.15 204.50 190.80 190.00 189.15 176.05 197.80 195.10
1979年 201.40 202.35 209.30 219.15 219.70 217.00 216.90 220.05 223.45 237.80 249.50 239.90
1980年 238.80 249.80 249.70 238.30 224.40 218.15 226.85 219.20 212.00 211.75 216.75 203.60
1981年 205.20 208.85 211.40 215.00 223.50 225.75 239.75 228.75 231.55 233.35 214.15 220.25
1982年 228.45 235.20 248.30 236.30 243.70 255.55 256.65 259.60 269.40 277.40 253.45 235.30
1983年 238.40 235.55 239.30 237.70 238.60 239.80 241.50 246.75 236.10 233.65 234.20 232.00
1984年 234.74 233.28 224.75 226.30 231.63 237.45 245.45 241.70 245.40 245.30 246.50 251.58
1985年 254.78 259.00 250.70 251.40 251.78 248.95 236.65 237.10 216.00 211.80 202.05 200.60
1986年 192.65 180.45 179.65 168.10 172.05 163.95 154.15 156.05 153.63 161.45 162.20 160.10
1987年 152.30 153.15 145.65 139.65 144.15 146.75 149.25 142.35 146.35 138.55 132.45 122.00
1988年 127.18 128.12 124.50 124.82 124.80 132.20 132.53 134.97 134.30 125.00 121.85 125.90
1989年 129.13 127.15 132.55 132.49 142.70 143.95 138.40 144.28 139.35 142.15 142.90 143.40
1990年 144.40 148.52 157.65 159.08 151.75 152.85 147.50 144.50 137.95 129.35 132.75 135.40
1991年 131.40 131.95 140.55 137.42 137.97 138.15 137.83 136.88 132.95 131.00 130.07 125.25
1992年 125.78 129.33 133.05 133.38 128.33 125.55 127.30 123.42 119.25 123.35 124.75 124.65
1993年 124.30 117.85 115.35 111.10 107.45 106.51 105.60 104.18 105.10 108.23 108.82 111.89
1994年 109.55 104.30 102.80 102.38 104.38 98.95 99.93 99.57 98.59 97.37 98.98 99.83
1995年 98.58 96.93 88.38 83.77 83.19 84.77 88.17 97.46 98.18 101.90 101.66 102.91
1996年 106.92 104.58 106.49 104.29 108.37 109.88 107.13 108.40 111.45 113.27 113.44 115.98
1997年 122.13 120.88 123.97 126.92 116.43 114.30 117.74 119.39 121.44 120.29 127.66 129.92
1998年 127.34 126.72 133.39 131.95 138.72 139.95 143.79 141.52 135.72 116.09 123.83 115.20
1999年 115.98 120.32 119.99 119.59 121.37 120.87 115.27 110.19 105.66 104.89 102.42 102.08
2000年 106.90 110.27 105.29 106.44 107.30 105.40 109.52 106.43 107.75 108.81 111.07 114.90
2001年 116.38 116.44 125.27 124.06 119.06 124.27 124.79 118.92 119.29 121.84 123.98 131.47
2002年 132.94 133.89 132.71 127.97 123.96 119.22 119.82 117.97 121.79 122.48 122.44 119.37
2003年 119.21 117.75 119.02 119.46 118.63 119.82 120.11 117.13 110.48 108.99 109.34 106.97
2004年 105.88 109.08 103.95 110.44 109.56 108.69 111.67 109.86 110.92 105.87 103.17 103.78
2005年 103.58 104.58 106.97 105.87 108.17 110.37 112.18 111.42 113.28 115.67 119.46 117.48
2006年 117.18 116.35 117.47 114.32 111.85 114.66 114.47 117.23 118.05 117.74 116.12 118.92
2007年 121.34 118.59 118.05 119.41 121.63 123.48 118.99 116.24 115.27 114.78 110.29 113.12
2008年 106.63 104.34 99.37 104.05 105.46 105.33 108.13 108.80 104.76 97.01    

日本銀行ホームページの時系列データにある「外国為替相場 / text」を元にした。

1950年以降の対ドル為替レートの変遷 1950年以降の対ドル為替レートの変遷
1950年以降の対ドル為替レートの変遷
平成になってからの対ドル為替レート
対ユーロ 対ユーロ
対ユーロ
対ポンド
現在の日本円の為替レート
Yahoo!ファイナンスで計算: 豪ドル 加ドル 瑞フラン ユーロ 英ポンド 香港ドル 米ドル
Googleで計算: 豪ドル 加ドル 瑞フラン ユーロ 英ポンド 香港ドル 米ドル

[編集] 円の流通高

円の流通高は2008年6月末現在において現金ベースで80兆8,147億円であり、このうち日本銀行が発行する紙幣が76兆2,909億円、財務省が発行する硬貨が4兆5,238億円である[5]。円の通貨流通高とは、現金の総額と捉えることもできる。紙幣は国立印刷局が印刷・製造しており、製品そのものは市中に出回っている紙幣以外に日本銀行の金庫内にも保管されており、必要に応じて発行される。個人や企業への支払に使う紙幣を調達するために、金融機関が日本銀行に保有している当座預金から資金を引き出して、日本銀行の窓口で紙幣を受け取ることによって日本銀行券は発行される。

経済活動に使われる資金としての円は、現金以外にも銀行に個人や企業が保有している当座預金や普通預金などほとんど現金と同様に日々の取引の決済に利用できる資金などもある。日本では、金融機関以外の民間企業、個人や地方公共団体などが保有している現金に当座預金、普通預金、定期性預金などを加え、さらにCD(譲渡性預金)を加えたM2+CDが市中にある円資金の流通量の指標として使われることが多い(詳しくはマネーサプライを参照)。

[編集] 脚注

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  1. ^ 『National Geographic 日本語版』2002年6月、27頁。
  2. ^ 円の角度が360度であることに由来すると言う説があるが、これは俗説で正しくない。物価情勢などを考えて計算されたものである。
  3. ^ 「YEN漂流 私はこう見る」 日本経済新聞2008年1月1日
  4. ^ 天木直人円は今やローカル通貨と言い放った元財務官僚」『天木直人のブログ』2008年01月06日。
  5. ^ "通貨流通高". 日本銀行 (2008-07-07). 2008-07-29 閲覧。

[編集] 関連項目

ウィキメディア・コモンズ

[編集] 外部リンク


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