ヤンバルテナガコガネ
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| ?ヤンバルテナガコガネ | |||||||||||||||||||||
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| 分類 | |||||||||||||||||||||
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| 学名 | |||||||||||||||||||||
| Cheirotonus jambar Y.Kurosawa, 1984 | |||||||||||||||||||||
| 和名 | |||||||||||||||||||||
| ヤンバルテナガコガネ | |||||||||||||||||||||
| 英名 | |||||||||||||||||||||
| Yanbaru long-armed scarab beetle |
ヤンバルテナガコガネ(山原手長黄金虫、Cheirotonus jambar)は沖縄本島北部に生息するテナガコガネの一種。珍しい昆虫として有名。
目次 |
[編集] 生態
沖縄本島北部の山地、いわゆる“山原”(やんばる)の高樹齢の照葉樹からなる原生林にのみ生息する。
幼虫はイタジイ、ウラジロガシなどの広葉樹の大木にあいた樹洞に腐植土が堆積したものを住処兼餌としている。浅い位置に若齢幼虫、深層部に大きく育った終齢幼虫がいる傾向にある。また、蛹化、羽化は、パイプ状の樹洞の内壁の一部を楕円形にえぐり取って作られた蛹室内部で行われる。そのためそのような大木が生育に必要であり、山原(ヤンバル)の中でも国頭村付近にしか生息していない。こうした生息場所はキツツキの一種であるノグチゲラが古木に掘った巣穴が放棄されたあとにケナガネズミなどが巣穴として再利用したりするなどいくつもの生物の関与によって生成される。ノグチゲラにしてもケナガネズミにしても、どちらも環境悪化によって絶滅が危惧されており、ヤンバルテナガコガネの生存を保証する生物的環境そのものが危機に瀕している。
水沼哲郎は孵化から成虫になるまで本種は約3年を要すると述べている。
成虫は晩夏〜秋にかけて出現し、リュウキュウコクワガタ等と共に山の中腹以上のカシ、シイの樹液に集まる。また、大柄な姿にもかかわらずよく飛翔するため、付近に光源があれば飛来する。
前脚は非常に発達し、頸節の内側の棘は木に登るのに便利であるし、餌場や雌をめぐって争うときの武器ともなる。
公的な研究目的や繁殖プログラムで許可を得た場合を除き、採集、飼育は一切禁じられているため、飼育下での産卵数や成長ステージの詳細については殆どわかっていない。
10 - 20個程しか産卵せず[要出典]、加えて孵化率も低い[要出典]。
[編集] 発見と保護
学問的に正式な発見、記載がされる以前から、その存在について薄々知られてはいた。カミキリムシ採集家伊藤敏仁によって1982年4月2日に死骸の上翅と腹部だけが拾われたり、また、生息地にほど近い製材所の従業員が、原生林から運び込まれた大木を切断加工中に度々本種の姿を見出していたりもする。チップ加工の犠牲になってしまった個体も無数にあったといわれる。
正式な発見は1983年で、1984年に黒澤良彦によって記載された。新種記載のタイプ標本として発見された個体は、1983年9月15日に国頭村普久川ダム構内で採集されたものである。体長は60mmを超えることもあり、カブトムシを抜いて日本最長の甲虫類となった。しかし発見した時には既に絶滅の危機が迫っており、1984年2月に沖縄県の天然記念物に、その後1985年5月に国の天然記念物に指定され、採集は全面的に禁止、繁殖プログラムも計画されている。そもそも発見自体が、ダム開発で設けられた水銀灯に飛来した個体が植え込みの木の枝に引っかかっており、それが朝の構内見回りをしていた職員の目の前に落ちてきた、というものであった。
おおまかなライフサイクルや生息環境概要、幼虫の生態は天然記念物指定前の水沼哲郎による採集調査で明らかとなった[1]。また、時をほぼ同じくして、伐倒木のフレーク部からオキナワマルバネクワガタと共に採集されたメス幼虫1頭が正体不明のまま『月刊むし』編集部に持ち込まれ、編集長藤田宏によって飼育、羽化させられている。当時まだ和名を与えられていなかったこの個体は「沖縄のテナガコガネ」として同誌1984年2月号の表紙を飾った。なお、飼育した藤田はその頃まだカミキリムシが専門分野であり、それぞれの幼虫が蛹化するまでは、自分の飼っているオキナワマルバネクワガタをヒラタクワガタ、テナガコガネをただのカブトムシだと思っていたという。
超大型の甲虫であるにも関わらず発見が遅れた原因は、マルバネクワガタ類の生態解明の難航と同様であった。すなわち、甲虫のシーズンである夏が去り、チョウ採集が昆虫採集の主となる沖縄の秋口に成虫が出現するために甲虫採集家にとって盲点となっていたのである[2]。
ただ、これほど厳しく「保護」されている天然記念物ではあるが、発生、繁殖に必要な生息地の樹木の伐採は必ずしも禁じられていない。一面丸坊主となり切株だけが所々残された山肌で、棲み処を失ってあてどなく彷徨う成虫の姿が雑誌『インセクタリゥム』(東京動物園協会発行)[3]で報じられた他、先述の『月刊むし』編集長藤田宏も「虫がいなくなって(採集禁止や保護をうたう)立て札だけが残るようでは笑い話にもならない」と指摘している。
本種は生態面の特徴[要出典]から密猟の影響を受けやすく、さらには生息地周辺の開発計画もあるため、依然絶滅が危ぶまれている。絶滅危惧I類。
この昆虫の発見が遅れたのには、ひとつにはその生息環境の特殊さ、それにハブと在日米軍の存在がある。つまり、その生息域が広く米軍演習地であり、しかもハブの生息地であった。立ち入り禁止ではないものの、気楽に侵入する気になる場所ではなく、なおかついるかどうかもわからない昆虫を探すために、大木の穴に手を突っ込むような真似は、ハブが怖くてとてもできないという事情があった。逆に在日米軍基地の外ではまともな生息地域が失われたとも言われる。密猟防止のための監視も行われているが、林道開発による森林の乾燥など、開発によって生息地ごと影響を受けることが懸念されている。
[編集] 保護上の位置づけ
[編集] その他
当時、朝日新聞夕刊に連載されていた園山俊二の4コマ漫画「ペエスケ」に、ほとんど全部のセリフが「ヤンバルテナガコガネ」になっている不条理作品がある。掲載されたのは沖縄県から天然記念物指定を受けた頃で、主人公のペエスケを叱る上司も叱られるペエスケ本人も、夜の公園で愛を語り合う男女もそれに野次を飛ばすペエスケも、産まれた赤ん坊も取り上げる産婆も、臨終の老人も看取る妻も、果ては往診の医者までもがみな「ヤンバルテナガコガネ」と言うもの。ヤンバルテナガコガネがその当時大きな注目を集め、社会現象になっていた様子が窺える。同作品は単行本第一巻に収録。
[編集] 脚注
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 沖縄天然記念物マップ(琉球文化アーカイブ)
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